ビーチバレーの県勢監督は、かつて五輪に出場した県人の元トップ選手が務める。男子はアテネ五輪で今国体の女子メンバー楠原千秋とペアを組んだ伊藤(旧姓徳野)涼子=松山商高教、女子はバレーボールで1度、シドニー4位入賞などビーチで2度の五輪を経験した福井(旧姓佐伯)美香=松山東雲女大職員=の両監督が担当。世界で戦った経験を選手に伝えてきた2人に、国体初の正式競技として戦う意気込みや、今後の県内ビーチバレー発展への展望を聞いた。

 ―愛媛国体で初の正式採用となった。
 福井 愛媛からはこれまで五輪選手が4人も出ている。競技の普及活動などを続けてきたほか、高校生女子の日本一を決めるマドンナカップも毎年伊予市で開かれ熱気を帯びている。今回の初開催も、携わる者として誇りに思う。ずっとビーチバレーの聖地であるためにも、いい結果を残したい。
 伊藤 個人的には、ビーチバレーが公開競技として初めて採用された(1997年の)大阪国体で優勝した経験があり、県民が喜んでくれる本当に大きな大会だと思っている。地元開催で、しかも(正式競技になり)天皇杯(男女総合優勝)獲得に貢献できるので、モチベーションも高まる。

 ―選手の仕上がりは。
 伊藤 ゲーム形式の練習は多く積めていないが、2人ともトップ選手で対応能力が高いので心配はしていない。天候、環境面には気をつけないといけない。3人で知恵を出し合ってベストの策を講じながら戦う。
 福井 国内や海外を転戦しており、一緒に練習できたのは2週間ほど前だが、キャリアは十分の2人。昨年も国内大会で組んで優勝しており、連係はぴったりだ。勝ち進めば決勝まで6試合あるので、体力面を考慮し、決めるところは1本で決め、長丁場はなるべく避けたいと思っている。

 ―国体開催を契機に望むことは。
 福井 2019年の国体からは少年種目への展開の話も出ている。(DCM)ダイキのビーチコート(松山市)も愛媛国体開催を機に復活し、県内で競技をする環境は十分。ジュニア育成に向けた形をつくり、愛媛が日本を引っ張るようにしたい。
 伊藤 競技スポーツは何でも勝ちを目指していると思われがち。トップ選手の育成ももちろんしてきたが、大事だと思っているのは裾野を広げることだ。興味を持ってもらうきっかけにするためにも、この大会の結果にはこだわっている。

【優勝目指しやってきた】
 男子・長谷川徳海選手の話 ブロックは日本でも一番だという自信がある。初開催で、他県は出場を目標にしてきたところも多いが、自分たちは初めから優勝を目指してやってきた。ミスしないよう冷静に戦う。

【迫力プレー間近で見て】
 男子・庄司憲右選手の話 愛媛国体優勝を目標に過ごしてきた。自分に勝つことができれば結果はついてくると思っている。力の増したジャンプサーブや力強いスパイクをぜひ間近で見て競技を楽しんでほしい。

【攻撃のスピードに自信】
 女子・長谷川暁子選手の話 スピードある攻撃力、(楠原)千秋さんとのチームワークには自信がある。ビーチバレーを盛り上げたい。愛媛のためにできることはプレーで表現することなので、とにかく全力を尽くす。

【感謝の気持ち込め戦う】
 女子・楠原千秋選手の話 国体に照準を合わせトレーニングをしっかり積んできた。大会の開催に多くの人が尽力してくれている。地元でコートに立てるうれしさ、感謝の気持ちを込めたプレーで優勝をつかむ。