ありがとう来夢、元指導者や父観戦 平昌五輪・スノボHP
片山来夢選手(22)の最終試技直前、ハーフパイプに強い風が吹いた。腕組みをして待つ片山選手をかたずをのんで見守る元指導者の国広直也さん(43)=兵庫県養父市。緊張感が最高潮に高まった会場で演技が始まった。
片山選手は横4回転など一つ一つの技を着実に成功させた。歓声が上がる会場で両手を広げて喜びを表現する教え子の勇姿を見届けると、片山選手の父・渉さん(52)と固く握手した。
「今までやってきたことに思いを巡らした」と国広さん。小学校を卒業したばかりの片山選手とともに愛媛県東温市へ移住し、6年間、共同生活をしながら室内ゲレンデ「アクロス重信」(東温市西岡、2012年閉鎖)で指導に当たった。
来夢と書いて「らいぶ」と読む。渉さんが「音楽ライブのように人をわくわくさせる人になってほしい」と命名した。国広さんは「ここに連れてきてくれて、ありがとうと言いたい」と話した。片山選手は見る者の心を動かすパフォーマーとなっていた。