建築の魅力掘り下げ発信 「瀬戸内アーキテクチャー」
建築から街を見つめる―。アートや文学によるまちづくりが進む中、地域の建物や場所に目を向けて新たなまちの魅力を発掘しようと、若手建築家やデザイナーでつくる愛媛県松山市のNPO「瀬戸内アーキテクチャーネットワーク」が活動に取り組んでいる。
今治市出身の建築家・丹下健三(1913~2005年)の生誕100年を前にした記念イベント企画をきっかけに、2012年10月に結成。「県内に作品がある世界的建築家にもかかわらず、記念行事への目立った機運がなかった。建築分野に対する空白を感じた」と白石卓央代表(33)。当時東京で不動産開発の仕事に就いていたが、県内では建築について気軽に触れたり学んだりできる場がないことから、「一般の人々と媒介できる存在に」と活動を始めた。
フリーペーパー「DOTS(ドッツ)」を発行し、松山市を中心に配布。このほど出した第2号では、萬翠荘(一番町3丁目)などを手掛けた木子七郎の建築を特集している。