ハタゴイソギンチャクを「隠れ家」にするカクレクマノミ。幸せな共生関係だけど、外敵を刺すイソギンチャクが、なぜクマノミだけ刺さないの? この謎に、水槽で両者を飼育・観察してきた愛媛県大洲市の長浜高校水族館部の1年生2人が挑戦。論文は高く評価され、昨年末、第58回日本学生科学賞高校の部で、最優秀の内閣総理大臣賞に輝いた。
 論文を書いたのは、重松夏帆さん(16)と山本美歩さん(15)。地元の名所となった校内水族館を管理する水族館部の研究班員だ。共生の謎には部の先輩も挑み、クマノミが出す粘液のタンパク質に関係があることまでは突き止めていた。
 今回、2人はイソギンチャクの方に着目。海水がどんな状態の時にイソギンチャクが刺すのか、触手をさまざまな溶液に浸し顕微鏡で観察。刺す程度や刺すまでの時間を調べた。