今治工高に造船学科 県教委検討
地場産業を担う人材の育成を目指し、愛媛県教育委員会が今治工業高校(今治市河南町1丁目)に造船関連の学科の新設を検討していることが7月31日、関係者への取材で分かった。
地方に拠点を置く造船業にとって、担い手の確保は喫緊の課題。造船、舶用機器メーカーなどでつくる今治地域造船技術センターは「新設を歓迎する。専門性の高い技術を習得した生徒が地元で就職し、地場産業の将来を担ってほしい」と要望する。ほかの造船関係者も「現状は人材不足」として期待を寄せる。
県教委は「教育内容を含め検討中」とし、新設に向けては「予算措置の関係もある」と強調。実現すれば2016年度から生徒を募集する可能性がある。
全国工業高校造船教育研究会長の三好展弘・長崎工業高校長は「近年は造船学を教えられる教員が減少している。造船学科などの新設には人材の確保と企業の協力が欠かせない」と話している。
愛媛県立学校の16年度の学科改編や入学定員などは県教委の10月の定例会で決定される見通し。