白血病ウイルス研究 向井さん(松山出身)栄誉
徳島文理大香川薬学部(香川県さぬき市)で、母乳を介して母子感染する白血病ウイルスを研究している向井理紗さん(27)=愛媛県松山市出身=がこのほど、若手の女性科学者を支援する2015年度「ロレアル―ユネスコ女性科学者日本奨励賞」を受賞した。「科学者としても、女性としても、発症メカニズムを解明したい」と治療法開発につながる実験に打ち込んでいる。
向井さんは松山南高から徳島文理大に入学。同大大学院の博士課程を経て研究員として勤務している。
研究対象は白血病の一つである成人T細胞白血病。日本人で約108万人がウイルス感染者とされ、長い潜伏期間を経て約5%が発症、1年前後で半数が亡くなるとされる。向井さんは、ウイルスの出す特有のタンパク質が発症の鍵を握るとみて研究を進め、細胞のがん化を抑制する機能で長期感染を図り、ウイルス自身の生き残りにつなげていることを突き止めた。