台風の記憶、未来に 日本技術士会が講演会
道路や河川工事などの調査設計に携わる技術士の団体・日本技術士会四国本部(高松市)は12日、愛媛県新居浜市多喜浜5丁目の多喜浜公民館で防災講演会を開いた。会員や住民ら93人が参加し、2004年に市内に甚大な被害を与えた台風災害を振り返った。
13年から四国各地で毎年実施し、県内では初めて。新居浜市は04年8~10月にかけて五つの台風が接近。土砂災害が多発して死者9人を出した。同本部の技術士が愛媛大防災情報研究センターの矢田部龍一センター長らと被害調査した経緯から同市を会場に選んだ。
講演会では矢田部センター長と市連合自治会の日野幸彦会長が登壇。日野会長は04年災害で多喜浜校区で住宅全壊4件、半壊64件、床上浸水152件が発生したとし被災写真を紹介。「約3割にとどまる自治会自主防災組織の数を増やし、細かな避難情報を掲載した防災マップの作製を進めたい」と述べた。