「フルーツフィッシュ」「フルーツ魚」という言葉をご存じだろうか。養殖魚の高付加価値化へ、果物の成分を餌に混ぜて育てた養殖魚のことで、愛媛でもブリやマダイなどの「みかんフィッシュ」(2014年商標登録)が知名度を上げつつある。全国の産地でもフルーツフィッシュ開発が盛んだ。
 県内では09年、県水産研究センター(宇和島市)などが研究を始め、12年にブリを初出荷。ブリやハマチではイヨカンの果皮を餌に混ぜることで、変色や魚臭さを抑制でき、かんきつの風味もするという。
 業者は「みかんブリ」「みかん愛たい」「みかん育ちヒラメ」などそれぞれの商品名で出荷。同センターなどは14年、果皮から搾った精油を生かし、マダイなどの白身魚にかんきつの香りがつきやすくする技術も開発した。