宇和島伊達家に伝わる香木を納めた「伽羅(きゃら)箱」の全容を初めて公開する鑑賞会が16日、愛媛県宇和島市天赦公園の国指定名勝「天赦園」であった。18日の一般公開に先立ち招待された関係者らが、400年の時を超えて漂うかぐわしい香りに酔いしれた。
 香木は特殊な条件の下、熱帯雨林の樹木に樹脂が長い時間をかけて凝集したものなどで、香気を放つ。江戸時代には、伽羅と呼ばれる最高級のものを大名らが競うように求め、権威の象徴でもあった。
 鑑賞会は宇和島伊達文化保存会評議員の山中瑞穂さん(58)が講師を務めた。通常はガラスケース越しでしか見ることができないが、数点を盆に取り出し鑑賞。参加者は鼻を近づけ、ぜいたくな香りを堪能していた。
 一般公開は18日午前10時~正午、天赦園で。