俳人正岡子規が記した手紙の魅力に迫る特別展「子規からの手紙―躍動することば」が19日、松山市道後公園の市立子規記念博物館で始まる。1月31日まで。
 子規直筆書簡や年賀状など50点を展示。子規は34歳11カ月の生涯で、千通以上の手紙を書いており、文面の面白さとともに筆跡の変遷も見て取れる。
 叔父・大原恒徳宛て書簡(1900年12月27日)では「今年もどうやら過ぎて私も間もなく卅五歳に成候事うれしく候」と、病苦の中で35歳(数え年)を迎える感慨がうかがえる。恒徳には音信を日常的に送っており、字体のはっきりした漱石宛てと比べ、柔らかい筆跡になっている。
 子規12歳のときの現存する最初の手紙もある。平岡瑛二学芸員は「子規の手紙には、自然と心に入ってくる言葉が多くある。直筆資料で見てもらいたい」と話している。