愛媛県西条市出身でサッカーのJ1名古屋に所属するFW川又堅碁(26)を、ボランティアでサポートしている公務員がいる。西条市役所スポーツ健康課の渡辺竜太さん(41)。トレーナーとして、シーズンオフの自主練習を5年前から手伝っており、川又からは「僕がブレークするきっかけをつくってくれた人」と厚い信頼を置かれている。
 2人の出会いは2010年末。プロ3年目のシーズンを終え、地元の西条市河原津新田の屋内運動場「ビバ・スポルティアSAIJO」で自主トレーニングをしていた川又に渡辺さんが声を掛けた。
 「お前、そんな所で走っているとけがをするぞ」。日本体育施設協会のトレーニング指導士資格を持つ渡辺さんは、川又がアスファルトの上で走っていたのを見て注意し「トップアスリートがそんな練習じゃいかん。しっかり体をつくらんと」と助言。すると川又は「じゃあ、僕の練習メニューを作ってくださいよ」。天理大体育学部でスポーツ学を学んだ渡辺さんは10年当時、ビバ・スポルティアSAIJOの管理業務の傍ら、施設利用者のトレーニングもサポート。丹原高野球部の同級生で、投手として中日、巨人で活躍した後、プロ復帰をめざす野口茂樹さんの自主トレを手伝うなどしていた。