愛媛県大洲市五郎のJR五郎駅。タヌキの着ぐるみを着た「たぬき駅長」として知られる地元の自営業、井上金徳さん(74)が、JR四国の観光列車「伊予灘ものがたり」を出迎える。よく見ると井上さんのポーズに見覚えが。駅名からも察しがつくラグビー日本代表、五郎丸歩選手のキック時のポーズだ。
 1963年ごろ、付近に姿を現した2匹の野生のタヌキを当時の駅長が世話したのが地域とタヌキとの縁。「五郎」と「鉄子」と名付けられた2匹の子孫は今でも付近におり、住民は2007年から餌づけしている。
 14年の観光列車運行開始に合わせ、たぬき駅長を自称し地元をアピールするのが井上さん。列車が走るたび、「副駅長」の石井政春さん(70)ら20人近い住民と一緒に列車に手を振る。15年、五郎丸選手を見て「あのポーズええなあ。同じ五郎やし」と物まね。すると乗客も五郎丸ポーズで返してくれるようになった。