ゆったり優雅 内子・小田川で筏流し
せわしい時代、昔ながらにゆっくりと―。愛媛県内子町大瀬東の川登地区で24日、恒例の筏(いかだ)流しがあり、12棚(隻)を連ねて約50メートルになる筏が優雅に小田川を下った。
戦後間もなくまで、木材を筏にして運んだ様子を川登自治会(山本哲昭会長)が再現。26回目を迎えた。小田川の美化もテーマで、本番1週間前には地域で川を掃除。筏を操る自治会の筏保存部は、ごみを拾いながら川を観察しコース取りを決めるという。
24日は増水で、来賓者を乗せた午前中の筏流しは中止。それでも午後には筏保存部の7人が、みのとすげがさ姿で登場し、約600メートルを進んだ。川面にさおさす動作は、歌い継がれる「小田川流し唄」のようにゆったり。安定した動きで岸辺のフジや川ツツジをかすめ見物客を喜ばせた。