現代美術と「融合」再び 重文渡部家で展覧会復活
今年、築150年の節目を迎えた重要文化財(重文)「渡部家住宅」(愛媛県松山市東方町)で30日と5月1日、古民家と現代美術を融合させた展覧会が開かれるのを前に28日、内覧会があった。周年の記念事業として、渡部家でかつて行ったアートプロジェクト「渡部家住宅その光と記憶」を2日間限定でよみがえらせる。
渡部家住宅は、1866(慶応2)年に上棟された豪農の庄屋屋敷。主屋や長屋門などがほぼ当時のまま残り、1970年に重文指定を受けた。現在は毎週土日曜に無料開放。イベント会場などとしても利用されている。
プロジェクトは、銅版画家の井出創太郎さん(50)=愛知県瀬戸市=が2006年に企画。独自の「緑青(ろくしょう)刷り」という技法で制作した大判作品をふすまと障子に表装し、実際にはめ込んで展示した。
今回は県美術館が保管する全作品の中から47点を展示する。井出さんは「すべて渡部家住宅をイメージしたもので、作品にとってもあるべきところに展示されるのは幸せなこと。建物と作品がつくり出すひとときの時間や空間を楽しんでほしい」と話す。
30日は井出さんのギャラリートーク、1日には江戸時代の暮らしについての子供向けレクチャーなどがある。公開は両日とも午前10時から午後4時まで。入場料400円(当日500円)、中学生以下無料。前売り券は松山市湊町4丁目のギャラリーリブ・アートで。問い合わせは、渡部さん=電話090(7573)0115。