愛媛県西条市丹原町鞍瀬の鞍瀬川で、地元の鞍瀬老人クラブ会長の佐伯幸男さん(82)が20年前から渓谷にワイヤを渡して毎年つるしているこいのぼりがまぶしい新緑の中を悠々と泳いでいる。今年は40匹余りを15日ごろまで揚げる予定。
 地元住民によると、山間部の鞍瀬地区は庭の狭い住宅が多く、さおを立ると、こいのぼりが電線などに絡まるため、1960年前後から川の上空にワイヤを張って子どもや孫の端午の節句を祝うようになったという。
 最盛期には数カ所でこいのぼりの谷渡しをしていたが、子どもの減少に伴い衰退。途絶えた時期もあったが、佐伯さんが区長を務めていた96年、「地域活性化の一助になれば」と旧丹原町内の知人から各家庭で揚げなくなったこいのぼりを集めて復活させた。