松山地裁で係争中の伊方原発1~3号機運転差し止め訴訟の原告団が、3号機運転差し止めの仮処分命令を求める地裁への申し立てを検討していることが12日、分かった。弁護団によると、訴訟審理の進行を遅らせる恐れがあることなどからいったん仮処分の申請を見送る方針を固めていたが、熊本、大分両県で相次ぐ地震を受け四国電力伊方原発近くの中央構造線での地震が懸念されるなどとして再検討を始めた。
 原告弁護団の薦田伸夫弁護士(愛媛弁護士会)は「伊方原発方向にも地震が連動して発生する可能性が懸念され、緊急性が高まった」と仮処分申請を視野に検討を重ねていると述べ、近く結論を出す方針とした。
 薦田弁護士は、異動による裁判官の交代で、これまでに提出した準備書面の確認に時間を要するなど訴訟進行の見通しが立たなくなったとみられることも、より迅速に結論が出る仮処分を再検討する理由の一つとしている。