「豚のロディオ」今年限り、批判や養豚業者減 西予
愛媛県西予市三瓶地域で毎年8月に夏祭り「奥地の海のかーにばる」を開いているみかめイベント実行委員会は16日、会合を開き、目玉イベント「豚のロディオ」を今年を最後に中止することを決めた。実行委は、動物愛護の観点からの批判に加え、ブタを用意する地元養豚業者の減少に伴う負担増や、費用面などを総合的に判断した結果と説明し「長年続いたイベントだけに残念だが、時代の流れで仕方がない」としている。
夏祭りは1983年に始まり、豚のロディオは養豚業が盛んな三瓶をアピールしようと89年から実施。ヘルメット姿の参加者が円形の競技場でブタの背にまたがった時間を競う。毎年40人ほどが出場し、ブタは約10頭を用意。祭りの目玉として定着しており、口蹄疫(こうていえき)問題があった2010年以外は毎年実施していた。
ブタが鳴く様子などを受け、地域外から批判が寄せられ、15、16年にはNPO法人「アニマルライツセンター」(東京)が「動物虐待と判断する」として中止を求める署名を実行委に提出していた。
一方、05年に13戸あった地元養豚業者が10戸に減る中、通常90キロで出荷するブタをイベントのため130~150キロに育てる手間や費用、トラブルを想定した警備員の増員、夏祭りの予算減なども中止の要因になったという。