国内最小、体長2センチほどのトンボ「ハッチョウトンボ」を探す観察会が11日、愛媛県内唯一の生息地とみられる西条市旦之上の湿地であった。保護活動の成果もあり、2011年には100匹ほどだったトンボも1000匹を超え、子どもらは小さな成虫を追いかけていた。
 県レッドデータブックによると、ハッチョウトンボは絶滅危惧1類に指定され、成熟すると雄は赤く、雌は黄色地に黒い筋が入る。かつては今治市と西予市にも生息していたがすみかとなる湿地などの減少で数を減らした。
 地元住民らが組織する庄内ハッチョウトンボ保存会の近藤茂孝さん(53)は「次の世代の子どもたちには人と環境を考える物差しとして触れ合ってほしい」と期待する。
 日が照りつけた11日は、子どもたちが携帯ゲーム機のカメラなどでトンボを撮影し、1センチ弱のヤゴの抜け殻を探し歩いた。