愛媛県西予市城川町の田穂・魚成地区で26日、伝統の虫送り行事「実盛送り」があった。住民らが、平安時代末期の武将・斎藤別当実盛の人形を掲げて行列を作り、害虫退散と五穀豊穣(ほうじょう)を祈願して田などをゆっくりと進んだ。
 実盛送りは稲に足をとられて敵に討たれ、害虫となった実盛の霊を鎮めるために始まったといわれる行事で、300年以上前から続くとされる。最後に人形を黒瀬川の河原に置き、大水で流されると豊作になると伝わる。
 連日の雨が上がった26日は、一行が太鼓とかねを打ち鳴らし「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」がなまったという「ヒンヨーナム、ゴーオミドウ」と念仏を唱えながら練り歩いた。