伊方訓練一部やり直し 規制庁要求「手順に改善点」
四国電力は15日、7月下旬の再稼働を見込む伊方原発3号機(愛媛県伊方町)での重大事故を想定した2日間の総合訓練を終了した。14日に作業員2人が熱中症の症状を訴え、訓練が一時中断したことから、原子力規制庁は「作業の手順や要員の体調管理に改善すべき点があった」などとし、訓練を一部やり直すよう求めた。
現地を視察した原子力規制委員会の更田豊志委員長代理は、訓練終了後の取材に「実際の事故発生時はもっと厳しい条件も考えられる。要員の体調を管理しながら作業を進めなければならず、あらためて訓練が必要」と述べた。一方で「週明けに十分な確認ができれば、再稼働の工程に影響は出ないだろう」との見通しを示した。更田委員長代理によると、再稼働前の総合訓練でやり直しを求めたのは初めて。
訓練は14日に始まり、四電社員ら約80人が参加した。3号機運転中に全交流電源を喪失し、炉心の冷却機能も失われた状況を想定。規制庁の検査官17人が立ち会い、17項目で事故収束に向けた手順が取れるかを確認。14日午後5時ごろ、防護服を着て海水確保作業をしていた男性2人が熱中症を訴え、訓練が約1時間中断した。
15日も使用済み燃料プールへの注水作業の確認などを実施した。
伊方原発の増田清造所長は「指摘を真摯(しんし)に受け止め、関係者で検討したい」と話した。四電は早急に関連マニュアルの改定や社内での訓練を実施した後、伊方原子力規制事務所の検査官の立ち会いの下で一部の訓練をやり直す。