28日は、愛媛県新居浜市の別子銅山を襲った別子大水害から117年。犠牲者をしのぶ慰霊式が27日、同市山根町の瑞応寺の墓地であり、別子銅山の歴史を学ぶ会(入江義博会長)の会員や犠牲者の子孫にあたる自営業志尾邦夫さん(49)=さいたま市=ら4人が墓前に手を合わせた。
 別子大水害は1899(明治32)年、台風の集中豪雨が別子山を直撃し、銅山の労働者や家族513人が亡くなったとされる。参列者は志尾さんの先祖の墓や水害の犠牲者を祭る石碑の前で線香を上げて合掌し、冥福を祈った。
 志尾さんは28日が誕生日。出自の因果を感じて24歳のときから毎夏の墓参りを続ける。歴史を学ぶ会のメンバーとは2008年から慰霊式を開いている。
 志尾さんは「近年の各地の豪雨災害を目にしていると、別子大水害が大昔の出来事だとは思えなくなってきた」と話し、歴史を学び伝え続ける重さをかみしめていた。