農薬や肥料を使わず、除草も耕しもしない自然農法を提唱し、植物の種を混ぜた粘土団子を考え海外の砂漠緑化にも尽力した福岡正信さん(1913~2008年)の著書や遺品を集めた記念館が愛媛県伊予市大平の福岡自然農園内に完成した。10日に関係者にお披露目し、17日に開館する。
 孫で農園代表の福岡大樹さん(43)によると、正信さんの思想に興味を持った人が年間20人くらい農園を訪れる。本などを手に思いをめぐらせる場をつくりたいと建物の一角をリフォームした。
 1947年に自費出版した本や、各国向けに翻訳された著書、自選の47首をまとめた「いろは改革歌(かるた)」の案を筆でつづったもの、約40年前の農園の写真などを展示。「人間はただ白、黒 分別しただけ どちらが良いやら 悪いやら」など現代社会に対する自筆メッセージなどがある。