美しい石垣で知られる愛媛県西条市千町(せんじょう)地区にある耕作放棄地だった棚田にこのほど、西条農業高校(同市福武)の生徒が冬野菜の栽培方法などを教える市民農園がオープンした。かつての風景を取り戻すため生徒と農園の整備を知り参加した市民ら17人は美しい里山を見ながら農作業に汗を流した。
 国道194号沿いの山間地にある同地区には約65ヘクタールの棚田があったが、過疎・高齢化などの影響で耕作放棄地が増加。危機感を持った同校は2005年から田を借りてコメを育て、昨年12月には棚田を無数の竹灯籠で照らし出すイベントを行うなど地区独特の風景を守る活動を続けている。
 今年は市民に棚田と農業の楽しさを知ってもらおうと、約6アールの市民農園を開設。17日は白菜やキャベツ、大根など5種類の野菜の苗や種を植えた。