大洲・白滝公園が入園禁止 展望広場の一角 崩落恐れ
約3千本のモミジと七つの滝で知られる大洲市白滝の観光名所、白滝公園で、崖上の石積みにある展望広場の一角が崩落する恐れがあると分かり、市はこのほど、公園全体を入園禁止とした。原因は不明。復旧には約1年を要する見通しで、地元住民は「るり姫まつり」など11月の紅葉シーズンに合わせた園内イベントを中止すると決めた。
市によると、崩落の危険があるのは食堂や休憩所を備えた広場のうち、崖に面した半円状の約60平方メートル部分。通常より約50センチ落ち込んでおり、その影響で柵の一部が外れている。地面にはひびが複数ある。
7月、地元住民から市に「地面が下がっている」と連絡があり、確認すると約10センチ落ち込んでいた。ひびにモルタルを塗り雨よけシートを掛け処置したが、9月2日にはさらに約40センチ下がっていた。公園内は傾斜が急で、仮に崩落があった場合、崖下にある遊歩道や滝の観賞スポットなど一帯に影響が出かねないため、市は同日、入り口付近から入園を禁止した。
現時点では原因が分かっておらず、復旧工事の工法や工期も決まっていない。市都市整備課は「来年秋までの復旧を目指したい」としている。
毎年、紅葉シーズンに1万数千人の観光客を見込む地元にとっては痛手。住民でつくる白滝商工観光連盟は、公園内を稚児行列やみこしが練る「るり姫まつり」「滝まつり」など、地域を象徴する11月のイベントを中止する。
連盟の尾上孝之会長(62)は「安全には代え難く断腸の思い。必ず来年秋に間に合うよう早い復旧を望んでいる。子どもや住民のために、代替イベントも検討している」と話した。