愛媛県今治市菊間町浜の加茂神社で600年以上続く秋季大祭の行事で県無形民俗文化財の「お供馬の走り込み」が16日、同神社であり、大勢の観客が見守る中、乗り子の少年が人馬一体となって参道を勇ましく駆け抜けた。
 地元有志らの菊間町愛馬会(森田健二会長)が伝統を守り、五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を願って毎年10月の第3日曜に行っている。5月には同神社の本社の上賀茂神社(京都市北区)で初めて奉納した。
 小学1年~中学3年の乗り子14人が「ハイヤー、ホイヤー」の掛け声とともに巧みな手綱さばきで約300メートルの参道を何度も疾走。両手を離す妙技も繰り出し、終盤の上り坂を一気に上がると大きな拍手を浴びていた。
 初めて乗り子を務めた乃万小学校2年の男子児童(8)は「あぶみをきちっと踏んづけ、緊張せず楽しく走れた」と晴れやかに語った。