村上海賊を世界へ発信 日本遺産認定記念シンポ 今治
愛媛県今治、広島県尾道両市にまたがる「村上海賊の本拠地・芸予諸島」が日本遺産として4月に認定された記念シンポジウム「村上海賊の魅力を世界へ」(村上海賊魅力発信推進協議会主催、愛媛新聞社と中国新聞備後本社など共催)が23日、今治市上浦町井口の村上三島記念館であった。小説「村上海賊の娘」の作者和田竜氏や研究者らの意見交換などを通じて、歴史資源の活用策を探った。
両市民ら約550人が参加した。同協議会長の山内譲松山大教授が基調講演し、海外の略奪者である「パイレーツ」と「海賊」の違いを説明。村上海賊は瀬戸内海の航行の安全を保証する通航・警護料徴収をなりわいとしており、「海の民」「海の領主」と紹介した。
続くシンポでは和田氏や歴史アイドル美甘子さん(今治市大三島町出身)ら4人が、村上海賊の「ストーリー」を活用する方策について「本物を見つける調査研究と保存が大事」「地域産業と結び付けた情報発信が必要」などと意見交換。因島・能島・来島村上家当主と両市長のトークショーもあり、平谷祐宏尾道市長が「先達が残してくれた歴史を姉妹都市の今治と発信する」と誓い、全員で勝ちどきを上げて締めくくった。