水産物加工・販売を手掛ける宇和島プロジェクト(愛媛県宇和島市坂下津、木和田権一社長)は26日、イスラム教徒の戒律に沿った「ハラル認証」を取得した愛南町産の養殖クロマグロ1匹を初出荷した。30日からマレーシア・クアラルンプールの高級スーパーなどで販売される。
 同社はイスラム圏の東南アジアや中東への輸出拡大を図ろうと、5月にマレーシア政府認証機関の公認の認証を取得。対象は養殖クロマグロのほか、県の新養殖魚「スマ」、加工施設の3点で、養殖魚の認証取得は国内初という。
 初出荷では日本ハラール協会(大阪市)会員立ち会いの下、運搬業者が特殊な洗浄液でブラシや高圧洗浄機を使いコンテナを「宗教洗浄」。その後、ハラル認証シールを貼った発泡スチロールに入った体長約1.4メートル、重さ約47キロのクロマグロを積み込み、松山空港へ向け出発した。27日に成田空港からマレーシアへ空輸する予定。
 宇和島プロジェクトの石崎崇仁専務は「中東地域での販路拡大の足掛かりにするとともに、県産養殖魚の良さを世界にアピールしたい」と意気込んだ。