県内いじめ解消率98% 2年連続全国トップ 問題行動調査結果
文部科学省が27日公表した2015年度の問題行動調査結果で、愛媛県内の国公私立の小中高校・特別支援学校のいじめ認知件数が過去最多の2717件に上り、14年度より774件(39.8%)増加したことが分かった。不登校の小中学生は1147人で、この10年間で2番目に多かった。
いじめの認知件数の内訳は、小学校1727件(前年度比638件増)、中学校852件(75件増)、高校136件(60件増)、特別支援学校2件(1件増)。いじめの解消率は全体の98.0%で、2年連続で全国トップとなった。
発見のきっかけは、アンケートなど学校の取り組みが37.5%と最多で、本人からの訴え(22.7%)、保護者からの訴え(20.9%)などと続いた。
県教育委員会によると、県内の公立学校で認知したいじめの態様(複数回答)は「冷やかしや悪口」が63.5%で最多。次いで「軽くぶつかる、たたく蹴る」24.2%、「仲間外れ、無視」12.6%など。
認知件数の増加について県教委は「初期段階や短期間で解決した案件もいじめと認知するよう学校に周知徹底した」と説明する。公立小中学校では、本人の訴えによる発覚が前年度から倍増したといい「教員に相談しやすい態勢ができてきた」と分析。一方で「解消と判断しても、再発の可能性に気を配る対処が必要」とした。
病気や経済的な理由以外で30日以上学校を欠席した不登校の小学生は186人(前年度比4人増)。うち90日以上欠席したのは99人で、出席日数が10日以下は15人、出席日数ゼロは8人だった。不登校の中学生は961人(15人増)と小学生の約5倍。645人が90日以上欠席し、一日も出席しなかったのは50人だった。
県教委は、中学校への進学時に不登校が増える「中1ギャップ」に対応するため、生徒の相談や別室指導に当たる非常勤講師を一部の中学校に派遣しているとした。
暴力行為の発生は103件で、内訳は小学校11件、中学校43件、高校49件。生徒間暴力が71件と大半を占めた。1000人当たりの発生件数は秋田、福井に次いで全国で3番目に低い0.7件だった。