西条の企業と愛媛大、除去剤開発 ガソリン精製時の硫黄臭
西条市の化学研究会社「IHテクノロジー」はこのほど、愛媛大と共同で、ガソリンの精製過程で発生する微量の硫化水素の除去剤を開発した。課題だった硫黄臭の大幅な除去に成功したとしており、国内の石油会社1社で実装置が稼働。IHテクノロジーは「今後も国内外の石油会社で使われる可能性が高い」としている。
愛媛大大学院理工学研究科の八尋秀典教授(54)と同社の幾島賢治専務(66)によると、多くの石油会社では純度の高い「改質ガソリン」をつくる工程で硫黄が含まれる触媒を使用。硫黄がガソリンに溶け込み、微量の硫化水素が生じていた。品質に問題はないが、「卵の腐ったような」臭いは現場で課題とされていた。
研究では、実用化に向けて安価な活性炭に着目。数十種類の中から5種類を選び、硫黄が吸着しやすい金属と結合させた粒子状の除去剤を開発した。実験では改質ガソリン1リットル中3・3ppmの硫化水素を0・05ppm未満に抑えられたという。
幾島専務は「国内外の石油会社が同じ問題を抱えており、需要は大きい」と期待。八尋教授は「ますます純度の高い改質ガソリンが求められる中、一端を担えれば」と話した。
研究成果は、17日に京都で開かれる石油学会で発表する。