社会人になる前に、世の中の動きを知り視野を広げてもらおうと、新聞を授業で積極的に活用する教諭がいる。松山工業高校(愛媛県松山市真砂町)で国語を教える道島綾美さん(42)。新聞を読み関心の幅が広がった自身の経験を踏まえ「新聞は社会からリアルに発せられる『問い』で、自分なりにどう答えるか考えることが学びになる。生徒たちも新聞で知識の裾野を広げて成長してほしい」と指導に力を入れている。
 「生徒たちが自分の言葉を紡ぐ様子に、手応えを感じている」。道島さんは主権者教育や平和、政治など自身が関心を寄せる7分野の記事を切り抜き保存したクリアファイルを開きほほ笑む。
 授業に新聞を取り入れたのは2000年ごろから。自分や他者の考えをまとめる思考力や、発言する力を高めるのが狙いで、今年は電気科と建築科の2クラスで、現代文の授業の一環として行っている。