愛媛県西条市河之内の市有施設「本谷温泉館」が17日、約半年の大規模改修を経てリニューアルオープンした。市内外の自治体運営の温浴施設と同程度の料金にし赤字を減らすため、中学生以上の入浴料などを引き上げ。記念式典には市の関係者や地元住民ら計約50人が出席し、テープカットをして施設の運用再開を祝った。
 本谷温泉は飛鳥時代に舒明(じょめい)天皇や斉明(さいめい)天皇が入湯したと伝わる名湯で、道後温泉(松山市)や鈍川温泉(今治市)と並び、伊予の三湯に数えられる。旧東予市が1994年4月に本館をオープンし、2001年4月に新館を増築。老朽化のため、16年6月から改修を進めていた。 主な改修として、本館と新館それぞれの男女別浴室を一つにまとめて拡張し、1週間ごとに各館の浴室を性別で使い分けるようにしたほか、両館に水風呂を設置。飛鳥時代をイメージし、温泉開発に関わったと伝わる少彦名命(すくなひこなのみこと)にちなんだ「石湯(いわゆ)」や県産ヒノキをふんだんに使った「伊予温湯(いよのゆ)」などを整備した。総事業費は約3億円。
 入浴料は中学生以上65歳未満が従来の300円から400円に、65歳以上と障害者(中学生以上)が200円から300円にそれぞれ引き上げ。