大正―昭和期にかけ、風刺漫画や版画などで多彩な才能を発揮した永井刀専(1895~1966年)を取り上げたテーマ展「没後50年 永井刀専展-商業デザイナーの先駆者」が、愛媛県西予市宇和町卯之町4丁目の県歴史文化博物館で開かれている。29日まで。
 刀専は松山市に生まれ、十歳で篆刻(てんこく)師に弟子入り。十五歳ごろに独立し同市三番町に店舗を構え、戦後は大街道に移った。まげを結っていたことから「ちょんまげの刀専さん」と呼ばれて親しまれた。
 同展では新聞題字やスタンプなど五つのテーマに分け、版木や仕事道具など約180点を展示している。「海南新聞」(現愛媛新聞)「伊予日日新聞」など、県内の新聞題字を多く手掛けた刀専。版木には題字の背景に日の出や波しぶき、松山城などが細緻に彫りこまれている。