井関農機(愛媛県松山市)は23日、熊本地震の影響で生産を停止していた井関熊本製造所=熊本県益城(ましき)町=で、被災後初めての製品が完成し、出荷したと発表した。
 井関農機によると、熊本製造所は井関の国内工場で唯一コンバインを製造しているが、前震があった4月14日夜に生産を停止した。
 5月16日から部品加工を始め、段階的に各工程を再開。製造スピードは被災前と同じ速さに戻っている。ただ、通常であれば帽子をかぶって作業をする社員は、余震に備えて今もヘルメット着用で生産に当たっているという。
 井関農機の説明では、23日は木下栄一郎社長が熊本製造所を訪問。社員ら約310人に「震源地にある熊本製造所が生産再開にこぎつけたことは、復興のシンボルになる。日々の生産活動が熊本を元気づけることにつながる」と呼び掛けたという。