新居浜工業高校(愛媛県新居浜市北新町)の環境化学部員、伊藤夢人君(16)=環境化学科2年=と古谷秀斗君(17)=同=がこのほど、染料の脱色に応用できる酵素「ラッカーゼ」をシイタケの廃菌床から安価に作り出す研究方法を確立し、神奈川大(横浜市)主催の第13回「全国高校生理科・科学論文大賞」の大賞に選ばれた。県内からは初の快挙。
 2人は先輩が11年度に発見した、脱色能力を持つ細菌「KIT―56」が効かない染料への対策を考える過程で、顧問の井原進一教諭(43)から「キノコが出す酵素には毒素や色素の分解能力がある」とのアドバイスを基に、「菌床に酵素が残されている可能性が高い」と考え、シイタケの廃菌床に着目した。
 市内のシイタケ栽培業者から譲り受けた廃菌床の成分を調べ、キクラゲやヒラタケなど数種類の廃菌床などと比較する実験を約1年間繰り返した結果、シイタケ廃菌床の抽出液に、最も脱色力の高いラッカーゼが多く含まれていることを突き止めた。