明治期建築の邸宅「旧宇都宮壮十郎邸」初の見学会 息づく明治レトロ
愛媛県八幡浜市保内町川之石地区にある明治期建築の邸宅「旧宇都宮壮十郎邸」で24日、初めての内部見学会(市主催)があり、地元住民らが和洋折衷の建物のレトロな雰囲気を楽しんだ。
邸宅は木造2階建てで1901年建築。丸みを帯びた「むくり屋根」や白のしっくいで外観は重厚感ある和風に見える一方、骨組みは西洋式の「トラス構造」で、内部には暖炉や畳の座敷がある。鉱山業や銀行業に携わった初代宇都宮壮十郎(1849~1901年)が建設を始め、初代の死で後を継いだ2代目壮十郎(1876~1956年)の代に完成したとされる。
戦後は医院や住居で使われたが、数年前から空き家となり、県外に住む所有者が2016年5月、市に寄付した。24日は来場者がボランティアガイドらの説明に耳を傾けながら写真を撮ったり、壁や柱に手を触れたりした。
市教育委員会生涯学習課の宇都宮菜乃さん(42)は「増改築箇所があり建築時の姿を調べる必要はあるが、ぜいを尽くした造りはレトロな建物が残る川之石でも貴重。さまざまな機会に見てもらい、地域の歴史を知ってほしい」と話した。
見学会は来年1月14日と2月11日にも実施し、3月以降は随時開催予定。問い合わせは市文化会館「ゆめみかん」=電話0894(36)3040。