1日の八十八夜を前に、県内有数の茶どころ西予市宇和地域で4月30日、一番茶の摘み取りが始まった。朝日に照らされて緑が輝く中、生産者らが新芽を丁寧に収穫していった。
 JA東宇和によると、標高約200㍍の宇和盆地は、昼夜の寒暖差を利用した茶の栽培に適しており、農家37戸が約10㌶で煎茶用のヤブキタを育て、「宇和茶」として販売している。
 同市宇和町河内の松本勲さん(76)の茶畑では、かすりの着物姿のJA職員が収穫を手伝い、柔らかな新芽を一つ一つ摘み取っていた。松本さんは「4月に入って霜がそれほど降りず、今年も渋みと甘みのバランスがいいと思う」と笑顔を見せた。