愛媛県八幡浜市保内町川之石の川之石高校が県立高校で唯一の「福祉系高校」に認可され、29日に開講式があった。2年半のカリキュラムを修めれば、在学中に介護福祉士の資格取得が可能になる。
 生徒が自由に授業科目を選択できる総合学科制の同高は、介護の知識や技術を学ぶコース「福祉サービス系列」があるが、国の制度改定で2009年度以降の入学生は卒業後に実務経験を積まなければ、資格試験を受験できなかった。担当教員の増員や授業課程の見直しなどを図った結果、3月に文部科学省と厚生労働省から福祉系高校に認定され、11月からの開講に向けて準備していた。
 開講式では、和田真志校長が「地元に根付く若い世代の創出につながり、高齢化と人口減少が懸念される南予活性化の一つのきっかけになる」とあいさつ。県教育委員会の長井俊朗高校教育課長は「これまで以上に質の高い人材育成を望む地域に根ざした教育活動推進のため、県立高校唯一の認定に向けて取り組んできた」と述べ、人手不足に悩む介護現場への貢献を期待した。