宇和島水産高校(愛媛県宇和島市明倫町1丁目)の専攻科生徒が12日までに、ニホンウナギの人工ふ化に2年連続で成功した。ふ化後の生残率は2014年度より高まっており、同科は「飼育日数を伸ばし、完全養殖や人工種苗生産につなげたい」と意気込んでいる。
 ニホンウナギは13年、漁獲量の減少などから環境省が絶滅危惧種に指定。謎の多い生態を解明しようと、同校では水産増殖科専攻科が13年秋から研究を進めている。
 人工ふ化は15年2月に初めて成功。同年3月までに、ふ化直後のウナギの子ども「仔魚(しぎょ)」計約1万5000匹を確認したが、ふ化翌日には全体の半数が死亡するなど、飼育期間は最長7日間にとどまった。
 15年度は3回目の挑戦となった1月8日に約5000匹がふ化。生残率低下の原因の一つとみていた水槽の形状を円筒形に変えたところ、個体の沈降を防ぎ、ふ化5日目で100匹以上が生き残った。