国が地域の農林水産物や食品を知的財産として守る「地理的表示保護制度(GI)」で、愛媛県西予市蚕糸業振興協議会が申請していた「伊予生糸(いよいと)」が2日、登録された。
 制度は地域ブランドの品質確保や保護が目的で、地域で長年育まれた特別な生産方法により高い品質や評価を獲得している農林水産物や食品が対象。登録により認定マークが使える。2015年6月に登録受け付けを開始し、これまでに北海道夕張市の「夕張メロン」や兵庫県の「神戸ビーフ」など7件が登録済み。
 伊予生糸は、加熱乾燥せず生の状態で冷蔵保存した繭から、低速の機械で糸を繰る。他産地の一般的な生糸に比べてボリュームとやわらかい風合いがあり、糸に弾力と光沢がある。
 2日、東京・霞が関の農林水産省で登録証授与式があり、西予市の三好幹二市長が伊東良孝副大臣から登録証を受け取った。三好市長は後継者育成にさらに注力するとし「世界に誇れる生糸で、東京オリンピックの選手団のユニホームに使ってもらう運動も展開したい」と意気込んだ。