来年の正岡子規生誕150年を記念し、愛媛新聞カルチャースクール特別講座「育つ子規―ねんてんさんと読む子規」が2日、松山市大手町1丁目の愛媛新聞社で始まった。俳人で日本文学研究者の坪内稔典さん(伊方町出身)が講師を務め、子規晩年の随筆「墨汁一滴」を題材に、子規の人物像と文学を読み解いていく。
 坪内さんはまず「一人一人の子規像を育て直す講座にしたい」と語り、「子規は俳句だけでなく、短歌と文章でも後世に大きな影響を与えた」と幅広い功績に目を向ける必要性を説いた。
 墨汁一滴は、子規が亡くなる前年の1901(明治34)年に新聞「日本」に連載した随筆。坪内さんは1行以上20行以下の、文字通り「墨汁一滴」で書ける長さが基本だったことに触れ、「短歌・俳句同様に『形』がある。古いものとされがちな形式をうまく用い、新しいものを生んだのが子規の文学」と解説した。講座は来年2月まで隔月で計6回実施する。