臥龍山荘(大洲)重文に 文化審答申
国の文化審議会(馬渕明子会長)は20日、愛媛県大洲市大洲の肱川沿いに立つ「臥龍山荘」の3棟を重要文化財(重文)に指定するよう馳浩文部科学相に答申した。2カ月程度で指定される見通し。県内の建造物の重文は40件になる。
指定されるのは、臥龍院(木造平屋、約130平方メートル)、不老庵(木造平屋、約30平方メートル)、文庫(土蔵造り2階建て、延べ約17平方メートル)。臥龍院は、桂離宮(京都市)などの名建築に着想を得た細部意匠を持つ数寄屋造り。
同所は、文禄年間(1592~96年)に藤堂高虎の重臣・渡辺勘兵衛が屋敷を構えた。藩政時代は、桜やカエデが移植され、歴代藩主も遊賞する景勝地となった。その後荒廃していたが、1897(明治30)年ごろ、大洲市新谷出身で木ろう輸出で財を成した貿易商河内寅次郎が土地を購入。地元の大工、中野虎雄らが施工を請け負い、不老庵が1901年、文庫は04年、臥龍院は05年に完成した。