松山地裁で係争中の伊方原発1~3号機運転差し止め訴訟の原告ら愛媛県内の住民12人が31日、四国電力伊方3号機の運転差し止めの仮処分を地裁に申し立てた。住民側は、東京電力福島第1原発事故の教訓を忘れ、伊方原発の直近を通る中央構造線断層帯の活動である熊本地震も終息していない中、再稼働で被ばくの危険を強いることは人格権の侵害などと主張している。
 住民側は申立書で、伊方原発は南海トラフ巨大地震の震源域上に位置するほか、世界最大規模の活断層である中央構造線から約5キロに立地し、熊本地震により「原発直近での大地震を想定しなければならない段階に至っている」と指摘。四電が650ガルとする基準地震動は過小評価とし、日本の原発で想定した地震動を超えたケースを例示して危険性を訴えた。