地域の伝統食継承や1次産業の6次産業化へ、大洲農業高(愛媛県大洲市東大洲)と大洲市が共同プロジェクトを展開中だ。生徒と農家の女性らが協力して大洲の食文化底上げと1次産業振興へアイデアを出し合っている。
 プロジェクトは2015年度に始まり、これまで4回の会合を開催。生徒は伝統食を教わり、大人は6次産業化へ生徒に「若い感性」を期待する。
 7月下旬、豊茂地区での会合には2年生9人、豊茂自治会の女性4人らが参加。郷土料理のさつま汁、地元野菜をふんだんに使ったナスのたたき、自治会考案の赤しそジュレなどを一緒に作った。
 大洲農高生たちは「さつま汁で使う魚は(鮮魚にこだわらず)骨が入らないことや手間を考えるとツナ缶などを利用してはどうか」とアレンジ案を披露するなどした。
 豊茂自治会長の藤淵良子さん(69)は「懐かしい味を覚えてほしい。祭りの時に作る山芋の三杯酢も伝えたい」と話した。藤淵さんたちは生徒に、搾ってジュースにした後に残る赤シソの活用方法、赤しそジュレ販売時の包装デザインの考案をお願いした。