約120年ぶりに社殿の建て替えを進める愛媛県新居浜市一宮町1丁目の一宮神社(矢野哲夫宮司)の解体工事が9月から本格化した。長年親しまれた拝殿は既に取り壊され、新たな歴史を刻む準備が進められている。
 工事は8月末から始まり、基礎のみを改築する本殿をレールに載せて人力で後方にずらす作業や、拝殿と幣殿の屋根瓦や銅板を手作業で外す作業に掛かった。拝殿の屋根の下の彫刻なども新社殿のために一つ一つ保存している。
 一宮神社は約1万世帯の氏子を持つ新居浜を代表する神社の一つ。耐震構造に問題があるとして2014年に社殿の建て替えを決め、氏子らから寄付を募っている。
 神社の権禰宜(ごんねぎ)の矢野有紀さん(39)によると、境内東側の伊予八幡神社の改築は資金のめどが立たなかったため延期した。建て替え総面積は約239.4平方メートル。解体と建築の費用は約2億5000万円を見込み、総工費は未定。完成は17年9月を予定している。