愛媛県松山市の姉妹都市ドイツ・フライブルク市で、旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像の設置計画があり、松山市は交流に支障が生じる恐れがあるとして設置中止を求める方針であることが16日、同市への取材で分かった。同問題に関する説明などについては外務省の協力も得て、近く野志克仁市長名の書簡で、ディーター・ザロモン市長に要請する。
 市観光・国際交流課によると、2015年にフライブルク市と姉妹都市となった韓国・水原市が、国連「人権デー」の12月10日に合わせた少女像設置を提案。フライブルク市は市中心部の公園への設置を予定している。
 松山市は外部の指摘で9月6日に計画を把握。フライブルク市に確認すると「世界平和や女性の人権保護のため」と回答があった。韓国メディアで日本を歴史問題で圧迫する狙いがあるなどとも報じられており、松山市側が水原とフライブルク両市で認識が違う可能性があることを伝えた。
 同課は、国家間の政治問題を都市の交流に持ち込むのはふさわしくないとの認識を示し「1989年の姉妹都市提携以降、27年に及ぶ友好の絆をなくしたくない。設置中止をできるだけ早く申し入れる」としている。松山市には計画中止への働き掛けを求める電子メールなど約70件の意見が寄せられている。