老朽化などによる市立八幡浜総合病院(愛媛県八幡浜市大平)の建て替え工事がほぼ完了し25日、開院式があった。26日に全設備の運用を始める。
 新病院は6階建ての本館と2階建ての別館で、延べ床面積は計約1万8000平方メートル。本館は免震構造でヘリポートや非常用発電機、四国電力伊方原発(伊方町)での事故に備えた放射性物質の除去装置を設置している。耐震構造の別館には放射線被ばく医療施設や休日夜間急患センターがある。
 2013年1月から工事に着手し、本館の救急部門や手術室、入院患者の病室は15年5月から運用していた。今回は新たに外来患者の診察室や高度治療室(HCU)、人間ドック室などが完成。総事業費は約60億円、医療機器などの費用は約16億円で、今後は旧外来棟を解体して駐車場を追加整備する。
 市や医療関係者ら約130人が出席した開院式で大城一郎市長は「利用者の動線に配慮した分かりやすい設備で災害にも強い」と紹介。上村重喜院長は「職員一同でこの新たな病院を運営し、南予北部の基幹病院などとも手を携えて住民の安全安心を守っていく」と決意を述べた。内覧会もあり、出席者が人工透析室やヘリポートを視察した。
 病院の建て替えでは、解体中の建材で石綿(アスベスト)が見つかるなどしたため工期が延びていた。