別子銅山強制連行の中国人労働者を供養 新居浜で慰霊祭 戦争の悲惨さ忘れない
太平洋戦争で別子銅山に強制連行された中国人労働者の慰霊祭が1日、愛媛県新居浜市山根町の瑞応寺であり、約30人が慰霊碑の前で合掌した。
市日中友好協会(中田晃会長)が中国の建国記念日「国慶節」(10月1日)に合わせ1983年から毎年開いている。
同協会によると44~45年にかけて中国から662人が別子銅山に強制連行され、坑内運搬などの作業に従事。うち208人が就労中や渡航中に飢え、疫病などで亡くなった。慰霊碑は住友金属鉱山が54年に建立し、当初は東平(とうなる)にあったが、69年に瑞応寺に移った。
式には協会メンバーのほか、住友金属鉱山別子事業所の社員、市幹部らが参列。僧侶のお経に目を閉じて頭を垂れ、一人一人焼香して祈りをささげた。
中田会長は「遠い異国の地で無念の死を遂げる戦争の悲惨さが忘れられることのないように、次世代に活動を引き継いでいきたい」と話した。