愛媛県松山市役所前の地下駐車場通路で過ごす路上生活者が10月ごろから、若者たちに石を投げられる被害に遭っていることが15日までに分かった。支援団体「オープンハンドまつやま」によると、週末の夜間に発生しており、投石被害を受けたという60代の男性は「エスカレートしたらと思うと怖い」と不安を募らせている。
 松山市二番町4丁目の市役所前地下駐車場通路では現在、50~70代の男性7、8人が夜を過ごす。若者は夜や未明に現れ、階段横に敷かれた石を投げるという。
 60代の男性は10月上旬の未明、就寝中に2人組の若者から2、3個の小石を、毛布の上から腹部へ投げつけられるなどしたが、けがはなかった。「また来るかも」と思い、違う場所に移動して寝ずに夜を明かした。
 70代の男性は10月末の未明、2日続けて2人組の若者に小石を段ボールハウスの中に投げ入れられた。11月上旬の夜には同じ若者を含む6、7人が現れ、複数の小石を段ボールハウスに投げつけられた。別の60代の男性も10月上旬の未明、就寝中に石を投げられたという。
 オープンハンドまつやま代表の丹下晴喜愛媛大准教授は「襲撃を止めないといけない。弱い立場の人を排除してよいという意識が社会全体にあるのではないか」と話している。