明治から昭和にかけ、海上労働運動に身をささげ「海父」と呼ばれる愛媛県上島町生名出身の浜田国太郎(1873~1958年)を顕彰する会はこのほど、戦時中に供出された銅像を繊維強化プラスチックで再建した。生涯を紹介する漫画も制作。郷土の偉人を後世に伝えようと、思いを新たにしている。
 国太郎は「奴隷なみ」の待遇といわれた劣悪な労働環境改善を訴え、1912年に日本初の船員ストライキを主導した。20年に日本代表の一人として国際労働機関(ILO)の総会に出席。21年には全日本海員組合の前身となる日本海員組合発足に尽力した。
 顕彰する会は2014年に結成され、功績を伝えるパネルを町内に設置するなどの活動を展開。当初からの目標だった像の再建では個人約180人、20団体から寄付が得られ、写真などを基に昨年12月に完成した。