原子力規制委員会の田中俊一委員長が24日、東京都港区の原子力規制庁で定例会見した。規制委の審査を経て四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)が再稼働した後も、住民が事故時の避難などに根強い不安を抱いている状況を受け、原子力防災を担う内閣府と連携し不安払拭(ふっしょく)に努める考えを示した。
 田中委員長は住民の不安に関し「東京電力福島第1原発事故後の『不安キャンペーン』があるので当然そうなる。不安をどう払拭していくかはわれわれの大きな課題だが、一朝一夕にはなくならない。福島のような事故を二度と起こさないためいろいろな規制をしている」と述べた。
 四電の佐伯勇人社長が伊方3号機の「60年運転」に意欲を示したことには「社長の意見について私から特に申し上げることはないが、60年運転したいなら、いずれ40年近くになれば申請が出てくるのだろう。それをどうこうするとか、いいとかけしからんとか申し上げる立場にない」と話した。